新潟県下越地方を中心に記録的な大雨となった今回の豪雨。一夜明け、その被害の大きさが明らかになってきました。いったいどれほどの雨だったのでしょうか…。
荒川と山とに挟まれた村上市の集落に何本もの土砂が流れ込んでいました。
そして、茶色い濁流は住宅街を飲み込みました。

3日から降り続いた雨は、日付をまたぎ一層激しさを増しました。関川村下関(しもせき)では、午前3時までの3時間に323.5ミリの雨が降りました。8月1か月で降る平年の雨量の実に1.5倍です。

数年に一度程度しか降らないはずの大雨である『記録的短時間大雨情報』が3日から4日にかけて県内では16回発表されました。

【新潟地方気象台 大杉健介気象防災情報調整官】
「命の危険が迫っているため、直ちに身の安全を守る行動をしていただきたい」
新潟地方気象台は、村上市と胎内市、関川村に大雨特別警報を発表。県内で発表されたのは、2019年10月以来です。村上市の一部と、胎内市全域、関川村全域に警戒レベルで最も危険度が高い「レベル5」の「緊急安全確保」が出されました。

【避難者は】「初めてでしたね。車に乗っていた時も前が見えない。やっとして来ました」
建物の浸水被害も深刻です。村上市荒川地域は全域が浸水し床上浸水が多数発生。自衛隊140人が救助活動にあたりました。

県のまとめによりますと4日午後4時現在、住宅の浸水被害は関川村でおよそ100軒、胎内市で91軒、新発田市で6軒、そして村上市では数百件に上るとみられています。

けが人も出ています。村上市や消防などによりますと村上市小岩内(こいわうち)で複数の住宅が土砂崩れに巻き込まれ、そのうち1軒に住んでいた80代の男性人が右足の骨を折る重傷を負いました。

村上市では断水も続いています。市によりますと復旧作業に取り掛かっているものの交通路が確保できず、原因箇所が特定できないものもあるそうです。
【住民は】「そうなんです。全然だったのでどうしようかと思いました。ここで2時間待ちました。やっと…」
また、東北電力ネットワークによりますと県内では延べ6770戸が停電しました。
県内の特別警報は全て警報に切り替わりましたが、気象台は4日夜遅くにかけて低い土地の浸水や土砂災害、河川の増水や氾濫に厳重に警戒するよう呼び掛けています。
