“子育てしながらコーチ” 働き方はモデルケースに

コーチとして西東さんが担当するのは、チームの分析や「NEXT(ネクスト)」と呼ばれる試合のベンチ入りがかなわなかった選手たちの指導です。

4月21日。ホームゲームのキックオフ5時間ほど前に、「ネクスト」の選手たちは西東コーチと選手たちがトレーニングを行っていました。西東さんは選手たちに細かな立ち位置などを指導していました。

この日、ネクストとして練習していた長崎咲弥選手(19)は、普段の西東さんを「日焼け止めを塗ったりして気を付けていて、女子力が高いんです」と教えてくれました。そして「1人1人をよく見ていて、プレーでも気になったところはすぐにわかりやすく伝えてくれるので、本当に勉強になります」と話します。

チームを指揮する橋川和晃監督は「男性・女性ということではなく、本当にサッカーをよく知っているので、プレイヤーとして経験してきたところを若手選手にしっかり伝えてくれている」としています。

そして、西東さんの働き方について「家庭と育児の時間をマネジメントして、コーチとしてキャリアを積み重ねていっているので、クラブやチームもサポートが必要だと思うし、このような世界が広がる一つのモデルケースになってもらえたらと思います」と話しました。

普段から明るく的確な指導をしているという西東さんですが、同い年の川村優理選手(34)は「子どもを育てることがまず大変で、でも『里都(りつ)には寂しい思いをさせない』とか『だけど仕事は仕事でしなきゃいけない』とか、つらそうな時もあった」と振り返ります。それでも…
「サッカーの練習に来たら、そんな顔ひとつ見せずに働いている姿を見ると、母強いなって思います」

そんな“強い母”の原動力は息子の里都くんです。