【V×V TuesDay】今回のテーマは「今年のV・ファーレンはなぜ強いのか?」です。現在7試合負けなし。《J2リーグ2位》のV・ファーレン長崎をデータをもとにひも解きます。
「長崎は外国人がすごい」
「個の力はあるけれど…」
そんな言葉で片付けられるチームではなくなりました。確かに外国人選手がスペシャルであることに疑いようはありません。フアンマに、エジガルに、マテウス!敵じゃなくて味方でよかったとしみじみ感じるところですが、下平監督が就任した今年のV・ファーレンは更なる進化を遂げています。
大きな改善点はシュートに至るまでの組織的なパス回し。昨シーズン、V・ファーレンは1試合の平均パス数が370本だったのに対し今シーズンは455本を記録。かつパス成功率は79.3%でリーグ3位(4月5日時点)と、パス回しが安定したことでここまで9試合でリーグ2位の16得点を挙げています。
一方で山形戦では対照的なデータも。この試合のパス数は山形の600本以上に対しV・ファーレンは326本。ボール支配率も42%とパスは少なくなりました。
しかし、これには明確な意図が──
下平隆宏監督は試合前、インタビューでこう述べていました。
「山形さんもボールを持つのがうまいチームなので(J2で)1番のボールポゼッション率を誇っているチームなので、ボールを持たれる時間はあると思います。ただ我々もしっかり組織的に守備で対抗して逆にカウンターで狙うなり…」
相手によって試合の進め方を柔軟に変更。ボールを握られても主導権は握らせない。山形戦ではあえて「ボールを持たせる」戦術で挑むと、理想通りカウンターで仕留めてみせました。
下平監督:
「想定通り山形さんにはボールを持たれて、本当に選手たちが我慢強くやってくれて、90分間を通して選手たちがプラン通りに戦ってくれたことを誇りに思います」
下平監督が築く戦術の上に強力な個の力が乗った──これまでとは一味違うチームが育ってきました。
下平監督:
「すばらしい個(の能力)を持った選手たちがいるとは思うんですけど、彼らがチームのために献身的にプレーすることが一番勝利に近づくと思っているので、まずはチームのため、そして個が輝くプレーをしてほしいと思っています」














