感染を抑えるため進められるワクチン接種ですが、岡山大学の調査で、「3回目を接種した人のうち、高齢者施設に通う70代以上の利用者の約1割が抗体価=血中の抗体の量がほとんど上昇しない」ことがわかりました。

(岡山大学研究推進機構医療系本部 中山雅敬 教授)
「『免疫システムがちゃんと動いているか動いていないのか』というのを見ておくことは、私はすごく重要だと思う」

岡山大学の中山雅敬教授らの研究グループが明らかにしました。

新型コロナワクチンの3回目接種をした、岡山県内などの高齢者施設の利用者や医療従事者1356人の抗体価を調べた結果、高齢者施設の70歳以上の利用者の約1割で、予防接種しても抗体価が上昇しないことが分かりました。

教授は、抗体価の測定をすることで、陽性者のフォローアップや医療資源の迅速な提供に繋がるといいます。

(岡山大学研究推進機構医療系本部 中山雅敬教授)
「予防接種を受けているから『守られている』と思っていたんだけども、亡くなったという方が出てくる。そういった人を集中的に治療をすることで、亡くなる方がなるべく減ってくれたら」

また岡山大学大学院の頼藤貴志教授らの研究チームが行っていたモデルナ社製ワクチンの3回目接種の副反応についても、最終報告が行われました。2回目と比較すると出現割合は減少していたということで、約6割が副反応が軽いと感じたということです。