来月から「医師の働き方改革」が始まり、医師にも残業時間の上限が定められます。一方で、「宿直」の時間は労働時間に含まないという仕組みがあり、抜本的な改革に繋がるのか疑問の声も上がっています。
さいたま市の総合病院で消化器内科の医師として働く市原広太郎さん(45)。朝9時前に出勤し、早速、外来患者の診察に入ります。
市原広太郎 医師
「内視鏡検査の予約をさせてもらっていいですか」
研修医の指導をしながら患者の処置をしていると、救急からの呼び出しがありました。
市原広太郎 医師
「じゃあ、こっちで診ます」
出勤してから外来や救急の患者の対応、内視鏡による検査など休みなく働き続けます。
この日の日勤は午後5時半まで。やっと勤務終了のはずですが、そのまま宿直勤務に入り、翌朝まで働きます。
宿直中は救急の患者や入院患者の急変に対応しながら、空いた時間で食事や仮眠をとります。
市原広太郎 医師
「当直明けで普通に勤務がある日は、その日1日働いて帰ります。睡眠不足はミスとか、そういうものに繋がるので、負担がかかるような治療や処置は極力入れないようにしています」
この宿直勤務の時間、実は原則、労働時間としてみなされません。病院が「宿日直許可」を取っているためです。
「宿日直許可」は、業務の内容が軽度で睡眠も十分に取れる場合、病院が労働基準監督署に許可を取れば、宿直や日直を「労働時間とみなさない」仕組み。
来月から勤務医の時間外・休日の労働時間が原則として年間960時間までに規制されるため、「宿日直許可」を取る病院が増えているのです。
彩の国東大宮メディカルセンター 藤岡丞 院長
「もちろん宿日直と言っても、病院にいて患者さんに対応する時間は(労働時間に)カウントされていくんですけれども。960時間に収めるための、やや方策みたいなところもあります」
一方、この病院では抜本的に医師の負担を減らそうと、研修を受けた他の職種の人への「タスクシフト」も進めています。
医師が行っていたカルテの入力を事務職が行ったり、手術中の人工呼吸器の設定の変更を看護師が行えるようにしたりしています。
市原広太郎 医師
「勤務時間の制限もしなければ、我々医者の健康も守れないという理解はしていただきたい」
専門家は「宿日直許可」の判断をより厳しくするべきだと指摘します。
医師の労働問題に詳しい 荒木優子 弁護士
「きちんと労基署が勤務実態として、宿日直許可の基準を満たしているかチェックしてほしい。稼働時間自体を減らさないと本来の意味での働き方改革の目的を達成するのは難しい」
医師の健康と患者の安全を守るため、実効性のある「改革」が求められています。
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