江戸時代の町並みが残る山口県萩市の城下町に、武家屋敷を改装した宿泊施設がオープンしました。

萩を代表する観光スポット白壁の町並み。その一角にあるのが「萩城下町の宿 椿庵」です。約150年前江戸時代に建てられた武家屋敷を改修して“1棟貸しの宿”に生まれ変わりました。

木造平屋の187平方メートルで、当時の面影を残す土間から部屋へ上がります。リビングや寝室など、武家屋敷の間取りもそのまま残しています。なぎなたなどが掛けてあった場所やトイレの扉は当時のままで、懐かしさも感じます。5人まで宿泊できる「桜」と、6人までの「橙」の2つがあります。

7年前までは萩焼の販売店を営んでいましたが、その後空き家となっていました。
旧建設省の「日本の道100選」に選定された「菊屋横町」に面していて、幕末の志士、高杉晋作の誕生地などがあります。

萩城下町の宿 椿庵 柳井正司オーナー
「高杉晋作が松下村塾に通っていたこういったところを通っていたのかとか、こういったところで梅の木を見てたのかなとか、そういった思いをはせてロマンを感じていただけると、萩の滞在が楽しいものになるのかなと思います」

これまで手を入れなければ草が伸び放題になるなど、維持するための負担も大きかったそうです。柳井さんは取り壊してさら地にすると、観光地が台なしになるとの思いから武家屋敷の再生を思い立ちました。

柳井オーナー
「古民家を生かすか殺すかという選択を迫られたこともあるんですけど、こういう風な形で皆さんに喜んでいただける、使っていただけるっていうのはうれしく思っています」

一歩外に出れば白壁の町並み。城下町の古民家を有効活用する1つの取り組みとしても期待されています。