■バレーボール・Vリーグ女子クォーターファイナル 久光スプリングスvsトヨタ車体クインシーズ(24日、東京大田区・片柳アリーナ)

レギュラーラウンド上位6チームによるトーナメント戦で行われるファイナルステージ(FS)。3~6位で争うクォーターファイナル(QF)第1試合は、レギュラーラウンド3位の久光スプリングスが2ー3(23ー25、25ー23、26ー24、20ー25、13ー15)で同6位のトヨタ車体に敗れ、クォーターファイナルで姿を消した。※写真は西村選手

2年ぶりの王座奪還を目指す久光は第1セット、エースのマッケンジー・アダムス(32)を中心に猛攻を仕掛けるも、トヨタ車体の持ち味であるフロアディフェンスを前に点差を広げることができない。最後も相手のエース、ファンヘッケ・リセ(31)に決められ、第1セットを23-25で落としてしまう。

続く第2セットは序盤から久光ペース。このセットを25-23で奪いセットカウントを1-1とした。第3セットは第2セット同様、序盤から長岡望悠(32)のスパイクが冴えわたり、久光がリードする展開に。しかし、中盤から久光のミスが目立ち始めトヨタ車体との点差がじわじわと縮まり始める。デュースまでもつれたが、最後は長岡が決めきり26-24。セットカウントは2ー1に。

第4セットは第3セットの流れを持ってこれずミスが多発。守護神・西村弥菜美(23)が好レシーブを見せるも得点に繋げることができず、20ー25でこのセットを落とす。

そして迎えた最終セット。ミドル・平山詩嫣(23)が序盤で相手のスパイクを完璧にシャットアウトするブロックを2度も決め、勢いは完全に久光に、と思われたが、最後まで相手のエース・リセを抑えられなかった久光。最終セットを13ー15で落とし、優勝への道は途絶えた。

試合後、西村は涙を見せながらインタビューに応じ「日本一を目指してやってきたのにもう優勝を狙えないということが本当に悔しい。試合を通して『自分何やってるんだろう』という気持ちだった。どれだけディグを挙げてもそれが点に繋がらないと意味がない。最後まで久光らしさが全く出せなかった」と悔しさを滲ませた。

今シーズンを通してスタメンとして試合に出続けた平山は「悔しい気持ちが1番。今の自分たちの弱さ・不甲斐なさを体当たりで実感させられた試合だった。シーズンを通してミスや連続失点が多いという課題があり、それを改善する力・気持ちが足りなかったと思う」と試合を冷静に振り返った。

今季の久光はミドルに怪我人が多かった中で、急成長を遂げた平山がシーズンを通してミドルのスタメンとして活躍。「私を選んでくれることに応えないといけないと思っていたので、私が出るときは絶対に負けたくないという気持ちだった。勝ちも負けも全て自分たちの責任になるから今までとは違うプレッシャーや責任感が大きかったけど、今年1年試合に出続けられてよかった」と平山にとって今シーズンは収穫も多い1年となったようだ。