渡された1182万円を「失念して」約5年間放置していた。

山梨県の長崎知事は20日、自らが代表を務める資金管理団体が、派閥のパーティー券の販売ノルマを超えた分として派閥から渡された1182万円を政治資金収支報告書に記載しないままにしていたと明らかにしました。

山梨県 長崎知事:
「県民、国民の皆様に対しまして深くお詫びを申し上げたいと思います。誠に申し訳ありませんでした」

深々と頭を下げる長崎知事。

政治とカネの問題で、自らも巨額の不記載があったと明らかにしました。その額1182万円です。

長崎知事:
「収支報告書にどのように反映させるかについて志帥会からの指示を待っていたまま失念し、今日まで事務所にて別途保管されたまま放置されていた」

長崎知事が代表を務める資金管理団体「日本金融経済研究フォーラム21」は2019年、知事が参与を務める自民党二階派「志帥会」の政治資金パーティーで、販売ノルマを超えたパーティー券の金額の一部、1182万円を政治資金収取報告書に記載していませんでした。

1182万円は派閥側から現金で渡されました。

長崎知事:
「志帥会より明確に「寄附」として交付を受けたものではないことから、処理方針が示されるまでの預り金的なものとして認識し、分別管理を行っていたものです」

取り扱い方針が未確定のまま渡された現金1182万円。

当時の会計責任者や長崎知事自身も2019年に派閥から現金を受け取ったことは「認識」していたものの、約5年に渡り失念され、県内の事務所で放置されていました。

長崎知事:
「(処理方針を)確認できない場合であれば返還すべきものだったと深く反省しております。
大変恥ずかしい話ではありますが、私どもも積極的に確認することを失念していた。
グレーなものは受けとったままにするべきではなかったと考えます」

資金管理団体は修正が可能な2020年以降の3年分に、前年からの繰り越し額を増額する形で政治資金収支報告書を訂正したということです。
また再発防止として会計責任者を交代させるなど管理体制を一新するとしています。

長崎知事:
「過去の処理と管理対応が極めてずさんだったことは、私自身断腸の思いです」

長崎知事は会見で、事務所が売り上げを取り置く「中抜き」や「裏金化」して使う意図もなかったとし、2020年以降のノルマを超えた分についても政治資金収支報告書に記載をしているとしています。

長崎知事:
「異例の事態です。その管理状態に対して深く反省し、今後二度とこういうことがないように改めて参りたいと考えております」

なお、県内の市民グループがこの件に関して近く刑事告発することを検討しています。