今、山梨県の地場産業であるジュエリー業界は円安とウクライナ情勢のダブルパンチで苦境に立たされています。
そうした中、業者向けのフェアが開かれましたが、関係者からは厳しい現実が聞かれました。

甲府市の「かいてらす」で開かれているジェムストーンフェアです。
宝飾関係者向けに研磨した加工済みの石を販売するもので、県の内外から30の宝飾業者が出展しています。

賑わいを見せる会場ですが、今、業界はある問題に直面しています。
大塚郁弥記者:
こちらの会場ではきらびやかな宝石がたくさん並んでいますが、今この宝石が円安の影響で高騰しています。
宝石類はおよそ99%輸入に頼っていますが、今、急速に進む円安のため県内の業者は「仕入れ価格が2割ほど上がった」と漏らします。

マルブン百瀬 百瀬文一郎社長:
110円から137円というと25%ほど(円安)ですか。それ以上の打撃を受けている気がします。ダイヤとかルビーやサファイヤに関しては、円安の打撃は受けていると思います。

また、要因は円安だけに留まりません。
アニダイヤモンド シャーバラット社長:
(ウクライナ侵攻で)もともとダイヤが1.5倍で、円が安くなって日本円で仕入れることが難しい。

ウクライナ侵攻を背景にロシア産のダイヤモンドが手に入らなくなり、そこへ円安の影響も重なりダイヤの仕入れ価格が去年のおよそ2倍になっているということです。
業者は仕入れ値の高騰に対して、あの手この手の対策をしています。
ジェムストーンフェア実行委員会 長谷川孝一委員長:
海外に買い付けに行って、自分の目で見て品質も細かいところを確認しながら値段とのバランス考えて仕入れて お客様に提供していく。

また、安い時に仕入れた宝石と組み合わせて出荷することで、販売価格が変わらないようにしていますが、在庫にも限りがある上、実際、利益は減っているという事で関係者は「先行きは不透明だ」ともらしていました。
