山梨県富士吉田市の高校生が外国人観光客に行った「お昼はどこで食べますか?」というアンケートをきっかけに地元の魅力が詰まった新たな名物が生まれました。

富士吉田市の地域活性化に取り組む高校生グループ「かえる組」。

「地域をかえる自分をかえる」が名前の由来です。

この日は富士吉田市内で行われる機織りのイベントに出店するための準備中。

実はイベントと同じ日、ある商品のお披露目を控えていました…。

忠霊塔や昭和レトロな商店街を目当てに大勢の外国人観光客が訪れる富士吉田市。

市の魅力をより詳しく伝えることは出来ないかと、中心メンバー「超かえる組」の7人は40人を超える外国人観光客に直接話しかけアンケートを行いました。

すると…。

超かえる組 藤井菜々子さん:
聞いてみると、「お昼決まっていないんだよね」みたいな。

写真をとるだけで移動し「滞在時間が短い」「昼食を食べるところが決まっていない」といった課題が見つかりました。

そこで始まったのが富士吉田の魅力が伝わる新たな商品開発です。

検討を重ねた結果、辿りついたのが…。

藤井さん:
おにぎりは片手で持ちやすくて美味しくて、魅力を伝えられるというのはもちろんなんですけど、おにぎりをにぎるっていう一つ一つに愛がこもっていて、みんなハッピーにするにはおにぎりで愛を込めるのがいいんじゃないかなということでおにぎりになりました。

日本らしさがあり、食べ歩きもできるおにぎり!高校生の熱意は地元のスーパーも動かします。

藤井さん:
ある程度の設定は大事かなって。

様々な関係先にプレゼンを重ねること8回。

スーパーのセルバを展開する山梨さえきに企画を持ち込むと熱意が認められ、共同で試作を重ね、10月21日から市内の店舗で販売することになりました。

山梨さえき 桑原孝正会長:
やりたいという熱い思いがあって、最初にプレゼンを受けたときはそれが一番体にピンときたんで何とかしなきゃいけないという思いで始めました。

約10か月かけて完成したおにぎり。

その名も「吉田のおにぎり」。

富士吉田市の名物、吉田のうどんの味を再現しました。

ご飯はうどんのダシを使って味付けし、具材にきんぴらごぼうと揚げ玉、そして薬味として使われる“すりだね”が入っています。

気になる味は…。

弦間大記者:
うどんの風味とすりだねのピリ辛が合ってとてもおいしいです。

藤井さん:
きんぴらの大きさで食感を出しているというところと、すりだねのちょとピリ辛が私たちとしては注目してほしいポイントです。

迎えたお披露目の日。

この日用意したおにぎりは約200個。

機織りのイベントの会場で全国から集まった人たちに提供します。


「富士吉田市には有名なローカルフード吉田のうどんというものがあります。その具材の中にきんぴら、すりだね、天かす、そしてうどん汁があります。この4つが全て詰まった吉田のおにぎり、是非皆さん食べてください。」

自分たちで売り込みもかけます。

お客さんは:
「うまい」
「おいしいです」
「大人向けって感じですねちょっとピリ辛だから」
「天かすがすごい良い味出してますよ」
「おいしいです、止まりませんね」

用意したおにぎりは次々となくなり、「超かえる組」のメンバーは手ごたえも感じていました。

藤井さん:
多くの人に「美味しいね」とか良い反応をもらえてうれしいです。私たちの富士吉田市への愛も届けたいですし、味とか具材を通して富士吉田市の魅力を皆さんに知っていただけたらとてもうれしい。

高校生の地元への愛がぎゅっとつまった吉田のおにぎり。

地域の観光をかえる新たな名物になるかもしれません。