新型コロナウイルスに感染した後の後遺症について、医師や看護師を対象にした研修会が開かれ、感染症の専門家が、働く世代のケア方法を解説しました。

山梨大学医学部附属病院 感染制御部長 井上修医師:
本人は頑張りたいが頑張れなくて、周りからは「治ったから大丈夫でしょう」と言われるのがつらい。体もつらいが精神的にも追い込まれてしまう。そういう状態の人がすごく多い印象がある。

研修会は山梨県が開いたもので、専門的な立場から指導や助言を行う産業医や産業看護師など、約50人が参加しました。

講師は感染症の専門家で山梨大学医学部附属病院の井上修医師が務め、後遺症外来の症例や、最新の研究動向などを紹介しました。

このうちオミクロン株の流行後に多い症状として、倦怠感や頭痛、頭にもやがかかったようになる「ブレインフォグ」をあげ、これまで多かった味覚障害や脱毛から変化していると説明しました。

一方、症状が軽くなるまで平均で8か月かかり、患者のスムーズな職場復帰には「怠けているわけではない」ことを認識し、本人の疲労度に合わせた勤務調整などが必要になると指摘しました。

受講した医師は:
コロナの後遺症か本人の持病か判断が非常に難しく、診療で悩まされている。

山梨大学医学部附属病院 感染制御部長 井上修医師:
「熱が下がってよかったね」で終わらないのがコロナの問題。元のパフォーマンスに戻るまで医療機関で助けられる仕組みができれば一番いい。

県内の感染者は今年5月以降、増加傾向にあり、井上医師は「後遺症のリスクも考慮すると、油断することなく予防対策を継続してほしい」と呼びかけています。