新型コロナウイルスの分類が5類に引き下げされてからマスクを外す場面も増え、徐々に以前の日常に戻りつつあるとも感じます。
しかし依然として、厳しい感染症対策をとる場所もあります。
それが高齢者施設です。


県老人保健施設協議会 福田六花会長:
制限を解除していくのは、高齢者施設というのは、世の中で一番最後に自由になる場所。

約90人の高齢者が生活している介護老人保健施設「はまなす」。


新型コロナの感染拡大以降、面会も含め外部からの立ち入りを厳しく制限してきました。


面会に訪れた人:がっかりしないで。また来るからね。

5月8日、新型コロナウイルスが5類に引き下げられましたが、施設の対応は…


県老人保健施設協議会 福田六花会長:
5類になったからコロナが変わったわけじゃないので、今のところはほとんど同じ対応になります。しっかり制限は設けて心は鬼にしている部分はあります。

16日も、ガラス越しでの面会が続いていました。


面会に訪れた人:(5類移行で)色々変わってきて、マスクしなくていいとか。(入所者:うちへ行きたい)うちへ行きたいね。


面会に訪れた人は…:
手を握って話をしたいというのはすごくありますね。窓越しでも会えるのはうれしいけれど。



入所者は:
(面会に)来る日を楽しみにしている。どこか行きたいとは思わないけれど、時間を限ってちょこっとうちをのぞきたいとは思うね。

こうした対応を続ける背景にあるのは、感染した場合のリスクの大きさです。



県老人保健施設協議会 福田六花会長:
一般の健康な成人ですと、(新型コロナの)死亡率は0.02%くらいなんです。それに対して、高齢者施設でクラスターが発生した場合の死亡率は2%なんです。100倍リスクがあるわけなので、世の中と全く同じというわけにはいかない。
山梨県は、5類の引き下げ後も高齢者施設に対しては感染症対策に配慮するよう求めていて、面会なども施設の判断としています。


こちらの施設では会う人数を2人までと制限したうえで、徐々に入所者の一時帰宅も行っていますが、以前の日常に戻るにはまだ遠い道のりです。







県老人保健施設協議会 福田六花会長:
世の中全体の流れより少し後ろをいくというスタンスは変わらないと思います。もういいよな、何とかしてあげてもいいよな、と思う部分もあるんです。でもそれは危ないので、科学的な安全性がある程度担保されることと、人 対 人の心のふれあいとか、両方をしっかりと両立した形になるまではフリーには出来ないですから。