甲府市中心街のシンボルが賑わいの中で役目を終えました。
2月14日、現在の店舗での営業を終了した岡島百貨店。慣れ親しんだ百貨店への愛に包まれたその1日を追いました。
岡島 雨宮潔 社長:「本当にありがとうございました」
客:「ありがとう~」

14日午後7時。岡島百貨店は来月3日の移転を前に現在の店舗での営業を終了しました。

この約9時間前…

店舗の前に客が集まりだします。



岡島 雨宮潔 社長:
開店時のご挨拶と閉店時のご挨拶というのはかかさず立つようにしています。

Q:どんなお気持ちできょうお迎えしますか?
雨宮社長:いい形で次につながることですね。

2月14日午前10時。85年にわたるこの場所での最後の1日がスタートしました。


訪れた客:
もう最後なのでいっぱい買って冷凍して取っておいて少しづつ食べようかなと。

こちらの和菓子店では感動の再会も。

岡島従業員:お久しぶり~ 元気だった?
女性:うん、どうにかね。もう10年になる

岡島従業員:もうそんなになる?
女性:だから懐かしくてね

元従業員が昔を懐かしんで訪ねてきたのです。

和菓子店の元従業員 森やよいさん:
最後だから見たくてね参りました。頑張って必死になってやった覚えがあります。

店内には次々と買い物客が押し寄せます。

それぞれのフロアでは従業員と客の温かいやりとりが見られました。

岡島従業員:
長年ねいろいろお買い上げいただきましてほんとにありがとうございます

女性客:
わたし子供のころから入り口岡島さんのあそこで座っちゃって、バタバタってして日本人形ほしくて。そんな思い出があります。

一方で、こちらは岡島での思い出が綴られたメッセージボードです。その数は実に2000件を超えたといいます。

男性客:
生まれた時からずっとあったから、寂しい気持ちはあるが頑張ってほしい。

岡島 広報担当 三科茜さん:
ここで出会って結婚されたという方もいらっしゃいましたね、メッセージにあって。そんな場所だったんだなって思って。


広報担当の三科茜さんです。

三科さん:
この建物に皆さんたくさん思い出があるんだなと改めて1枚1枚読ませていただいて思いました。

駐車場は長蛇の列に。店舗の姿を写真に収める人も見られました。


14日の来店者の数は前の年の同じ時期に比べなんと4倍だったということです。

この賑わいに雨宮社長は。

雨宮潔 社長:
もう感謝しかないです。天保14年に創業して以来、脈々と事業を継承してきたそういったものの賜物ではないかと思っています。


夕方にはUTYが生中継。


買い物客も参加して周辺は盛り上がりを見せていました。その様子を三科さんも見守ります。

三科さん:
ちょっとまだ実感がないが営業終了の時間が迫ってるなと思います。皆さん楽しんでいただいて嬉しく思います。


そして、午後6時。閉店まであと1時間です。

地元・甲府市のシンガーソングライター伸太郎さんがスペシャルソングを披露。


その歌詞は掲示板に寄せられたメッセージがモチーフでした。

伸太郎さん:
ありがとう岡島!という思いでした。皆さんが思いを込めて書いたメッセージだから一つ一つ重なる部分がある。それを歌にできたのは一生の思い出です。



岡島に熱いエールを送りました。

ついに、午後7時。大勢の客が見守る中、閉店の時間がやってきました。

岡島 雨宮潔 社長:
3月3日、新店舗にて皆様をお待ちしております。本日は本当にありがとうございました。

閉店を見守った客:
開店したら3日にはすぐ行きたい。ずっと岡島のファンでいたい。

閉店時に立ち会った男性:
人がなかなかいないが今見てくださいこの人ものすごいたくさんいるじゃないですか、僕が子どもの頃ってこんな感じだった(中心街が)ぜひ頑張って復活してほしい


雨宮社長:
新しい店での責任の重さを感じました。感無量です。

閉店後…

三科さん:
シャッター上がらないですからね。そう考えると寂しいですね。

賑わいの中で85年の歴史に幕を下ろした甲府市中心街のシンボル。


近隣の商業ビル=ココリにオープンする新たな岡島百貨店に中心街のけん引役をバトンタッチします。







