兄・故選浩行さん

そして、この原爆で10歳上の兄・故選浩行さんを亡くしました。
名門・広島二中の1年生だった浩行さんは学徒動員で同級生320人余りと集合していた時に被爆しました。

遠山睦子さん:
「これは私が書いた広島ですね」
「爆心地はここ。兄はここにいた。土手に集合して点呼をとっている時に敵機が飛んできて」


爆心地からわずか600メートルの距離でした。

遠山睦子さん:
「砂が燃え出した。目も見えなくなって、川へ逃げろ 川へ逃げろと、川に入るにも死体の上を逃げた」
「街が燃え出して火がない方へ行きながら、うちへ帰りたい」


焼けた身体で自宅を目指しました。

遠山睦子さん:
「これが電車道で、これをつたって来たようです」
「全身やけどで目は見えない。へたり込んで動けなくなって、目も見えないから人の気配が来るたびに『僕は草津です』『草津へ連れて帰ってください』と音がすると言っていた」