山梨大学医学部附属病院の前院長、武田正之さんに新型コロナウイルスの最近の感染状況などについて聞きました。
小嶋優 キャスター:
感染者が増加を続けているというわけなんですが、どのように捉えていますか?

山梨大学医学部附属病院 前院長 武田正之 医師:
全国的にも同じような傾向で、特に北海道は既に第7波のピークを越えてます。なのでもう第8波に入っるのは間違いないと思います。
その原因としてはいろいろ考えられるんですが、入国制限がなくなってるということと、日本から近い台湾とかシンガポールとかアジア各国がずっと増加してます。なので日本に入りやすくなっている。あとシンガポールなんかではXBBなどの新しい変異株が増えてますから、そういったものもかなり増えているのではないかなと思われます。

小嶋 キャスター:
続いてこの1週間、10日までなんですが年代別の感染者の割合を示したグラフがあります。
武田さん、ご覧になりましてどのような特徴を感じますか?

武田正之 医師:
満10歳代以下が30%で多いんですけど、よく見ると50歳代でも12%であまり変わらないですよね。なので全年代で行動がかなり広くなってるのかなと思います。一番心配してるのは80代以上が5%で率としては少ないけれども、数はかなりあります。そして重症化しやすいですし、意外とワクチン打ってない方もおられて、大学病院などに入院してますので、やはりもう全員が打ってるかなと思ってたんでが、やっぱりワクチン接種をもう1回きちっとやっていただきたいと思いますね。
小嶋 キャスター:
重症化しやすいところですね。
西垣友香 キャスター:
そうしますと医療現場での懸念というのは どういったところにあるでしょうか?

武田正之 医師:
やはり予定されている病床というのがありますけれども、その病床使用率は今全国で20%くらいで山梨県は13%です。今のところ大丈夫ですが、隣の長野県は40%近いですよね。50%を超えるとかなり大変な状況になりますし、発熱患者が非常に増えると対応できなくなるということで医療逼迫と一般医療への影響ということが危惧されます。
小嶋 キャスター:
今後やはりこの大事な局面にならないように今、とにかく準備をしているというそんな状況ですね。
では、今後この感染状況がどうなるのか、予想を書いてもらったんですが。

武田正之 医師:
三つパターンがありまして、
一番いいパターンはこの後少し増加してそれから徐々に減ってくる。
悪いパターンは加藤厚労大臣がおっしゃってるように、2週間後ぐらいに第7波のピークを越えていくと。
さらに悪いパターンはもっとどんどん増えていく上にインフルエンザの流行がかぶってしまって大変なことになると。
こうならないのが一番いいですよね。
小嶋 キャスター:
さらに悪いパターンのようにぐっと、欄外に飛び出してしまうことがないようにそれは避けなければいけないんですが、そのために必要なことは?

武田正之 医師:
やはりコロナワクチンとインフルエンザワクチンの、両方接種していただくと。特に集団接種会場で同時に打っていただくのが一番便利なんですけど、まだ山梨県はそういう対応になってないので、ぜひそうしていただければと思いますね。