かつてない規模の感染拡大。

国内での発生当初から対策にあたっている山梨県笛吹市の病院からは「ゴールが見えない」と悲鳴が上がっています。


富士温泉病院 村松高院長:
振り出しに戻った、2年半前に戻ったと思う。

山梨県の重点医療機関の一つで笛吹市にある富士温泉病院の村松高院長です。


富士温泉病院 村松高院長:
ゴールの見えないマラソンをやれって言ってるような感じでゴールが見えない限りは、もう走れない。


こちらでは新型コロナの発生初期から患者の受け入れを続けていて、現在は入院治療だけでなく、発熱外来やPCR検査、それに、ワクチン接種も実施。

7月に入って外来や検査に訪れる人は1日あたり40人ほどと、6月のおよそ8倍に増加しました。


富士温泉病院 村松高院長:
検査もしなくちゃならないし、あるいは「保健所から電話がかかってこないがどうしたらいいですか」という電話がかかってくる。「もしかしたらかかったかもしれない」とワクチンに無理やり入ってくる人もいるし、けっこう戦場みたいです。

村松院長が懸念するのが行政が担う入院調整の遅れです。


治療を必要とする患者が速やかに医療にアクセスすることが困難になるケースがあるとして、重症化の恐れを指摘します。

富士温泉病院 村松高院長:
早く治療をスタートしたい。例えば、若い人でも咽頭痛の強い人でご飯が食べられなければどんどん免疫が下がってくるので、命取りになる可能性がある。早期に医療介入したほうが後遺症も少ないと思う。


また、第7波の見通しについてはBA.5が免疫をすり抜けて感染する特徴を持つと話し誰もが感染のリスクがあると警鐘を鳴らします。


富士温泉病院 村松高院長:
濃厚接触あるいはマスクをしないで会話をすれば、すぐうつると思う。一回コロナになったら終わりという人は少ないと思う。同じ人がかかる。

富士温泉病院の入院患者は7月21日午後5時の時点で18人。

現在、38床確保しているコロナ病床の半数近くが埋まり、今後の感染状況によってはひっ迫する恐れがあります。


富士温泉病院 村松高院長:
いくらかかりやすいからかかってもいい、というわけではなくて、濃厚接触を避ける換気をする、手洗いをきちんとする。それからやっぱり危機感を持ってほしい。