有権者は、市政の継続を選択しました。山口県長門市長選挙で勝敗を分けたのは何だったのか。

ポイントと市の課題について、テレビ山口・早川記者の報告です。保守地盤の強固な長門市。
安倍元総理が地盤としていた長門市で、亡くなって初めて行われた市長選は、保守分裂の争いとなりました。

市長に就任するまで、自民党の日置支部長を務めていた江原さんは、選挙戦前から公務の合間を縫いながら妻とともにミニ集会を重ね草の根の活動を進めました。

一方、南野さんは今年8月に市職員を退職して自民党員となり、自民党と公明党の推薦を受け組織を生かした選挙戦を展開しました。

告示まで1か月に迫った10月。

長門市を含む新3区支部長の衆院議員・林芳正さんと南野さんとの2連ポスターが市内各地に張られました。

選挙戦では林さん自らが選挙カーに乗り支持を訴えました。

テレビ山口では、市内5か所で投票を終えた有権者に出口調査をし461人から回答を得ました。支持する政党を聞いたところ、自民党が全体のおよそ6割を占めました。

自民党支持層のうち66パーセントが江原さん、34パーセントが南野さんに投票していて、南野さんが推薦を受ける自民党支持層をまとめきれなかったと言えます。

また安倍元総理の後援会に入会していたと回答した58人のうち、7割以上が江原さんに投票しました。

長門市を含む県西部では中選挙区時代、安倍元総理の父・晋太郎さんと林さんの父・義郎さんが同じ選挙区で争ってきました。旧日置町の町長だった江原さんの父は、晋太郎さんの地区後援会の幹部を務めていて、南野陣営の関係者からは「林さんとの2連ポスターが安倍さんを支持していたグループの反発を買い裏目に出た部分もある」と振り返ります。

南野さんの事務所には昨夜、林さんも駆けつけました。

林芳正衆院議員
「我々応援団の力足らずにこういう結果になりましたこと、大変残念でありますが、この結果を肝に銘じてまた、次の展開に生かしていければというふうに思っております」

南野佳子氏
「今後溝を作ることのないように選ばれた長門市長に対してですねしっかりとやっぱりみんなが一つになってやっていかなければいけないと」

江原さんは今後しっかりと対話をし次の衆院選では林さんを応援していきたいと話しました。

江原達也長門市長
「国政の先生には、やはり国からのいろんな資金とかも頂かないといけない立場ですのでしっかりと関係を修復してですね、応援していきたいというふうに思っております」