柳井市の離島・平郡島。島に、常駐の医師はいません。住民どうしのつながりが強い島ではまわりに迷惑をかけたくないと、力をあわせて感染防止に取り組んでいます。こうした島民に知識を深めてもらおうと、感染をテーマにした講演会が14日開かれました。

講演会が開かれたのは柳井市の離島、平郡島。


島民はおよそ260人で、4分の3が高齢者です。講師は柳井医療センターの看護師長吉野由紀子さんです。吉野さんは、感染管理特定認定看護師という感染防止のエキスパートです。クラスターの発生現場で、拡大を食い止めるための指揮を執っています。

柳井医療センター吉野由紀子看護師長
「ドアノブ触ったり、電気のスイッチさわったり、ひも引っ張ってみたりとかすると、そこにウイルスがくっついてしまうそれをほかの人がさわって家族がさわったりすることによってきづかずに目ををさわったり鼻をかんだりすると感染を起こしていく」

徹底して呼びかけられている基礎的な感染対策について、高齢者にも親しみやすく解説しました。

島では感染拡大以降、島外からの訪問を自粛してもらったり、外出を自粛したりと感染対策を進めていました。


地域のつながりが強い島の高齢者たちには、つらい3年間でした。

島民
「来てくれんいねえ、みんな感染しとったら、友達でもねえうつったらいけんけえ」

島ではこの夏、初めての感染が確認されました。

診療所はあるものの医師は常駐していないため、発熱などがあれば船を仕立てたり、定期船の隅に乗ったりして本土に渡っていました。

島民
「すぐ広がりやすいからねうわさがだからできるだけなりたくないってその点みんな気をつけてるんじゃないですか?」

感染対策も地域を挙げて取り組みましたが、万が一、感染があったときの周囲の目も心配だそうです。吉野さんは医療従事者への誹謗中傷や感染した人に対しての心ないふるまいにも触れ、知ることや理解することが大切と訴えました。

吉野看護師長
「怖い思いをされているというのは本当に分かりますがそれは正しく知っていないから怖いというだけのことであって、今みたいにこういうふうにすればいいんだということがなんとなく分かればみなさんも受け入れてくださっていると思います」

島民
「この病気は怖いものですからわかりにくい、初めてのことでありましたので、一生懸命知ろうとしましたね」

集まった人たちは熱心に疑問を聞いていました。