26日、鹿児島からロケットが打ち上げられました。このロケットには、月での醸造を目指す山口県岩国市の酒蔵・獺祭の原材料なども載せられています。「自分たちの思いが形になった」。夢の実現に一歩近づき、獺祭の桜井一宏社長は、感激の思いを口にしました。

鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられたH3ロケット。新型補給機を予定の軌道に投入し、打ち上げは成功しました。月で酒を醸造しようという獺祭の夢も載せていました。「獺祭MOONプロジェクト」です。
獺祭 桜井一宏 社長
「26日に種子島に行って現地で見てきました。自分たちの思いが形になったのを感じますし、打ち上がるのを見ると、まだまだこれがスタートの段階であるとはいえ、すごく感激しますね」

人類の月面移住が実現したとき、月で暮らす中で酒は生活に彩りを与える存在になる。こうした思いから、獺祭は2050年の月での醸造を目指しています。その第一歩として、国際宇宙ステーションで月の重力を再現して醸造する、世界初の実験を行います。
桜井社長
「不安もありますし、失敗したらまた希少なデータと貴重な経験が手に入るという意味ではワクワクの部分もありますし、本当半々ですね」
国際宇宙ステーションで実験するための各方面への説明、宇宙空間を想定した醸造装置作り、さまざまなハードルを乗り越えての実現です。

獺祭はこれまでも、海外での販売やニューヨークに酒蔵を作るなど、挑戦を続けてきました。

桜井社長
「今回の月に酒蔵という夢に関しても、当然まだまだそれがうまくいくかも分からないですし。ただやっぱり…将来のためというのと、人類に対する貢献っていうと大仰なんですが、そういうものを私たちにできるチャンスですので」
数日中に宇宙飛行士が実験を始め、その後、発酵させたもろみを冷凍状態で地球に持ち帰り、絞って清酒にします。

宇宙での酒造りに向けた大きな一歩。価格は100ミリリットルで1億1000万円。すでに予約は入っているそうです。













