今年は戦後80年です。終戦前日に空襲を受けた山口県光市の光海軍工廠で当時学徒動員として働いていた元教員の女性が9日、体験談を語りました。

講演会は「市図書館ボランティア活動協議会」が戦後80年にあわせて企画しました。語り手は柳井市の森重笑子さん(93)です。14歳のときに学徒動員で、光海軍工廠で働いていました。工場では海軍の魚雷など、武器を製造していました。

終戦前日の8月14日、空爆を受けて748人が犠牲になったとされています。空爆の当日、森重さんはほかの人と弁当を食べながら楽しい時間を過ごしていたところ、「ドカーン」という音とともに、大地が破裂するような揺れを感じ逃げ込んだということです。

森重笑子さん
「見渡す限りが火の海です。今の今までそそりたっていたあの大きな建物が火の塊になって崩れ落ちていくのです。うちらの工場が燃えよると言って私たちは泣きました」

うめきながら息絶えていく人、顔中血だらけの人、苦しさにうめいている人。まるで生き地獄だったと振り返りました。

講演参加者
「臨場感というか、やっぱり実際に体験した人の話はちょっと違うなと思いました」

講演参加者
「平和は今考えたら、ありがたいことだと感じている」

森重さんは1時間以上話を続け、最後にこんなメッセージを伝えていました。

森重笑子さん
「ご家庭にお帰りになられましたら、どうぞご家族の皆さまにこの話をお伝えになってください。それも特にお若い方にお伝えください」