半年前、5年ぶりに新人のやまがた舞子がデビューしました。
新人舞子の現在の思いや継承への想い、舞子と戯れる「お座敷遊び」の魅力に迫りました。

現在休業中の山形市の料亭、旧千歳館は、明治9年に開業し、山形市の芸妓文化を象徴する建物として国の登録有形文化財に指定されています。

山形には、最盛期(大正~昭和初期)に30軒ほどの料亭があり、芸妓の数は約150名を数えていました。

現在は時代の移り変わりとともに徐々に減少しつつありますが、今年は新たに4人の舞子が誕生し、現在5人で山形舞子は市内の料亭などで活躍しています。

新人のやまがた舞子、ゆめ花さんです。

ゆめ花さん:「私は高校生のときに舞妓体験というイベントに参加したんですけど、その際に舞子さんの心優しい姿や女性らしい立ち振る舞いにとても憧れを持ったため入りました」

新人舞妓として芸事の世界に足を踏み入れ約半年。現在の心境は?

まつりさん:「舞妓になる前は踊りの経験が全くなくて、本当に自分で日本舞踊ができるのかなと少し心配でした。最近は少しずつゆとりができて、踊りってこんなに楽しいんだなと感じることができています」

そしてもう一つ、舞子といえばこんな楽しみも。

芸妓・芸子による掛け声や三味線の音楽に合わせて舞子と戯れる「お座敷遊び」。

その一つである「金毘羅船々」は、肘掛とお酒を置く「袴」を使って遊ぶゲームです。

舞子と客が向かい合って座り、交互に袴に手を置いていきます。

そしてどちらかが袴を手に取った場合は手をグーにして置きます。

これを連続で行い、間違えた方が負けとなり、敗者は「罰杯」としてお酒を飲むというルールです。

華やかな踊りはもちろん、お座敷遊びなどの触れ合いを通じてさらなる魅力が溢れ出すやまがた舞子。

先輩舞子のすみれさんに客からの声や継承への想いを聞きました。

すみれさん:「踊りを踊ってるときはあまり笑ったりしないので、少し怖く見えたりするのですが、お席の中でお話した際に、とても明るく話すので思っていた感じといい意味で違ったと言っていただくことが多いんです。そういったところが山形舞子の魅力の一つかなと思います」

やまがた舞子 すみれさん:「お席の中でたくさんの方とお話をしたり、色々なことを勉強させていただけることが本当に楽しくて、引き継いできた山形の伝統や文化を継承していけるように日々お稽古を頑張っていきたいと思っています」

『どすコイ』
山形県内にて毎週水曜日午後7時~放送中
(2023年11月8日放送回より一部抜粋し再構成)