第二次世界大戦末期、同じ戦場にいた、日本とイギリスの2人の元兵士が、12日から山形県庄内町を訪れています。
そのきっかけと、2人が次世代に伝えたいメッセージとは。

12日庄内町では、第二次世界大戦で犠牲になった日本とイギリスの兵士らを悼む追悼式が開かれました。

イギリス軍の元兵士で、現在97歳のリチャード・デイさんです。

リチャードさんは、戦争末期、旧日本軍がインドで展開し多くの犠牲者を出したインパール作戦での戦いに、連合国軍の兵士として従軍していました。

そして日本側からも、あの時、戦場にいた人物が。

旧日本陸軍の兵士として戦った、104歳になる佐藤哲雄さんです。

2人が手を合わせているのは、旧余目町出身の旧日本陸軍・佐藤幸徳中将。

激戦が続くインドで軍に背いて作戦の中断と撤退命令を下した人物で、日本兵1万数千人の命を救ったとされます。かつて敵国同士だった2人、今抱く、平和への願いとは。

旧日本陸軍兵士・佐藤哲雄さん「あんな悲惨な戦争は二度としないよう皆で努力しましょう」

イギリス軍元兵士・リチャード・デイさん「他の方と同じように私も平和を求めている。それに対して僕は何ができるか分かりません。でも一緒にならできると思います」

命を散らした兵士たちに花を手向ける2人の手は固くつながれていました。

そして13日。

酒田市の東北公益文科大学で学生たちに語り掛けるリチャードさんの姿がありました。

息を引き取る仲間を、何人も見送ったリチャードさん。

平和の尊さを改めて学生たちに訴えていました。

参加した学生「リチャードさんの目をみて話してくれてすごく優しい気持ちになりました」
参加した学生「わたしの生まれ育った庄内町では教科書に佐藤中将の話がのっているので後世に伝えるためにモノに残していくことが大切」

悲惨な戦争を経験したリチャードさんの話は学生たちにとって貴重な経験になったようでした。