蔵王の冬のシンボル「樹氷」のもとになる木、「アオモリトドマツ」が、広範囲にわたって枯れる被害が出ていることを受け、復活・再生に向けた県民会議が13日設立されました。

山形県・吉村知事「将来に向けて存続が危ぶまれる危機的な状況と思っている」

13日に設立されたのは「樹氷復活県民会議」。

樹氷の景観を復活させることが目的です。

その背景にあるのは、樹氷のもとになる木、「アオモリトドマツ」が枯れる被害。

山形県によりますと、この木は10年ほど前から蛾の幼虫に葉を食い荒らされるなどの被害を受けていて、県の調査では、蔵王ロープウェイ地蔵山頂駅付近ではおよそ17ヘクタールにわたり立ち枯れ被害が出ているということです。

こちらは、氷の重みで枝が折れたアオモリトドマツ。

研究している山形大学の柳沢文孝名誉教授は、「枯れている木は、付着した雪や氷の重みに耐えることができず、枝が折れた」と話していて、枯れる木が増えることで今後、蔵王の景観が損なわれると危惧しています。



13日の会議では今後、国が進めるアオモリトドマツの調査・研究に協力していくことや樹氷復活に取り組む企業や団体・個人を募集するなどの活動方針が確認されました。



山形県・吉村知事「(樹氷は)山形県の宝であり、日本の宝であり、世界の宝であるといえると思っているので、国内外の多くの皆さんに楽しんでいただけるように、景観を復活していく第一歩を踏み出して、確実に進めていきたい」



来年度はアオモリトドマツの苗を移植する作業などを行っていくということです。