山形県南陽市では、手つかずの農地、「耕作放棄地」の増加を防ぐため、あるプロジェクトが進められています。問題解決のキーワードは「簡略化」です。

山形県南陽市の十分一山。
日当たりがいい傾斜や、水はけのよい土壌から、県内有数のブドウ産地として知られています。
しかし、足場が急など、作業が大変であることから、やめてしまう農家が増えているのだそうです。
同時に、心配されているのが、手付かずの農地、「耕作放棄地」の増加。そこで、市は2017年からあるプロジェクトを進めています。
それは、耕作放棄地を利用したワイン用のぶどうの栽培です。

南陽市 農林課 鈴木淳さん:
「生食ではなく醸造用のブドウを栽培することによって手間暇を省ける」

ワイン用のブドウは見た目を気にしないことから、生食用よりも手間がかかりません。
耕作放棄地でワイン用のブドウを育てることで、土地の利活用と、新たな特産ができることが期待されます。
きょうは、実証実験を行っている十分一山の園地で、関係者がブドウの収穫作業が行われました。
地元の特産を目の前に思わず・・・。

県職員
Q・今つまみ食いしましたよね?
「しました。味をみました。だいぶ甘いです」

こちらの女性は市内の飲食店からの参加。

飲食店関係者
「予想以上に作業があるので大変な思いをしてワインを作っていることがわかった。
地元で採れたものでワインができて提供できるのはいいこと」

きょうは、およそ40分で150キロほどのぶどうを収穫することができました。

南陽市 農林課 鈴木淳さん:
「これをワインにしたらおいしいワインができると思う。こういった畑が増えれば耕作放棄地の課題も解決できる」

市では、収穫したブドウの味を解析したりワインにしたりして、今後のプロジェクトに活用するとしています。