ここ数年、蔵王では「樹氷」のもとになる木・アオモリトドマツが枯れる被害が出ています。再生に向けた取り組みが様々進められていますが、今回、新たに山形県村山市の高校生がある研究を始めました。

山形の宝、樹氷。樹氷のもとになる木は、アオモリトドマツという常緑の針葉樹です。

しかし10年ほど前から、蛾の幼虫に葉を食い荒らされたり、幹に虫が入り込んだりするなどして、枯れてしまう木が目立ち始めました。

村山産業高校・農業環境科
児玉勝平さん(3年)
「(樹氷で)山形県のことをいろいろ興味を持ってくれた方もいると思うので、授業で習ったことを生かしてこれを増やしていけたらなと」

今回、卒業研究としてアオモリトドマツの再生に取り組み始めたのは、山形県立村山産業高校で林業やバイオテクノロジーを学ぶ生徒たちです。
生徒たちはこれまで、山形森林管理署の職員と一緒に蔵王に行き、実際にアオモリトドマツに触れたり、生態を学んだりしてきました。

そして、この日行われたのは、蔵王ロープウェイ・樹氷高原駅付近での苗木の採取。学校に持ち帰り、茎を培養して、人工的に増やせないかどうか実験するんだそうです。

また山形森林管理署からアオモリトドマツの種を提供してもらい、効率的な苗木の生産方法も研究するということです。

山形森林管理署
五十嵐伸哉 さん
「再生の取組をしていかないとアオモリトドマツを復活させるのは難しいかなと思っています。皆さんに関心持っていただいて力になっていただければ本当にありがたいです」

これから冬に向かい、観光のハイシーズンを迎える蔵王。
その目玉ともいえる「樹氷」を守りたい…、生徒たちの研究に注目です。

村山産業高校・農業環境科
草間亮斗さん(3年)
「観光資源としての景観そのものを残していきたいという気持ちから、自分たちに何かできることはないかと思って(アオモリトドマツを)再生できるようにがんばっていきたいと思います」