熱く燃えた「みちのくダービー」。死力を尽くしたモンテディオ山形の選手たちに、とあるサポーターが驚きの行動に出た。
4月13日にユアテックスタジアム仙台で行われたサッカーJ2の「仙台VS山形」。東北の両雄対決として長きにわたって続くみちのくダービーは、選手・サポーター両方にとって特別なものだ。
この試合、山形はアウェーで戦い、結果0対2で敗れた。選手たちの試合後の表情は悔しさであふれていた。
会場には山形から大勢のサポーターが足を運び試合を見守り声を枯らした。しかしその熱量がゆえか、思いがあふれたか・・・
一部のサポーターが暴言とともに、選手や監督に水をかけたのだという。
水を掛けられた山形の渡邉晋監督は、試合後「サポーターにも悔しい思いをさせてしまい申し訳ない」と話した。「にも」に、はがゆさがにじむ。
さらに「がんばって彼ら(サポーター)の信頼を取り戻したい」と続けた。
その後モンテディオ山形は、翌日に予定されていたファンサービスを中止すると発表する。理由は明確にされていないが、試合後のサポーターの行為が影を落としたのは容易に想像がついた。選手・監督の安全が担保されない状況ではファンとの交流などできるはずもない。
そして16日。モンテディオ山形は声明を出した。
『本行為(水をかけるなどの行為)は、極めて悪質なものであり、Jリーグ、クラブで禁止されている行為です。いかなる理由があっても決して許されることではありません』
さらにサポーターを特定したとして処分を下す。【処分内容】無期限入場禁止
水かけ行為を断罪。選手・監督に危害を加える者に対し、それはもはやサポーターではないと通告したのだ。
そしてモンテディオ山形は「今一度リスペクトの精神を」「安心・安全に観戦できる運営の実現に向けて観戦ルールの順守を」と呼びかけた。
こうした事態を受けて、山形のサポーター団体「ULTRAS ACMY」が公式SNSで声明を発表した。
処分を受けたサポーターは現在団体のメンバーではないとしたが、行為を制止できなかったことについて謝罪。そして『今一度団体としてのあるべき姿を自分たちで見つめなおし、これまで以上の後押しをする』とした。
あえて言えば、ほとんどのサポーターが心から選手を応援している。それがわかるからこそ選手たちは試合後にスタンドに足を運ぶし、ゴールを決めればスタンドに駆け寄る。
スポーツとは何か。何に熱くなっているのか。何より戦っている当の選手・監督が負けて悔しくないわけはない。
それを忘れないようにしたい。







