山形県の東北芸術工科大学で、芸術系の大学では初めてとなるX線CTを使ったある装置が導入されました。

矢野秀樹アナウンサー「X線CTと聞くと人のカラダを検査をイメージすると思うが、今回検査するのは文化財」
東北芸術工科大学には、全国的にも珍しい文化財保存について研究するセンターがあります。
今回、センターでおよそ8000万円の費用をかけて導入されたのが、X線CT撮影装置。

高度なX線で被写体を回転させながら撮影し、CT装置で解析することで、これまで表面しか見られなかった文化財が、立体的にわかるということです。

文化財保存修復研究センター 伊藤幸司 教授「群像を作る時の技法。こういう情報まで見えてくる」
文化財をX線で解析する装置を導入する機関は増えているものの、幅60センチ、高さ1メートルほどの大きさまで高度な解析することができるのは、全国でも珍しいそう。貴重な文化財を傷つけることなく細部まで見られる技術は、色々な可能性を秘めています。

文化財保存修復研究センター 伊藤幸司 教授「調査の依頼が来る。共同研究ができる。全然違った広がり方というか足し算ではなく掛け算の広がりができれば」

文化財の保存状態だけではなく、先人たちの技の軌跡まで明らかにできる画期的な装置は、様々な分野で大きな進歩をもたらしてくれそうです。