北陸電力が管理する石川県志賀町の志賀原発で、低レベル放射性廃棄物の運搬作業中に、警備員が「防護区域」に入る際に必要な点検の一部を行っていなかったことがわかりました。点検の不備は少なくとも2014年から続いていたとみられています。

北陸電力によりますと、これは2025年5月に原子力規制庁が志賀原発で行った原子力規制調査により明らかになったものです。

原発では本来、特定核燃料物質の使用や貯蔵をする設備がある「防護区域」や「周辺防護区域」を出入りする時はマニュアルに沿って安全点検をする必要があります。

しかし、志賀原発では低レベル放射性廃棄物を収納したドラム缶を運搬する作業で、警備員が防護区域に入る際に必要な点検の一部を、少なくとも11年間にわたり行っていなかったということです。

原子力規制庁は、安全上・核物質防護上の影響が限定的であることなどから、志賀原発に対する規制措置は不要との判定をしました。

北陸電力は、再発防止のために運搬作業時の出入り管理のマニュアルを見直し、核物質の防護に努めたいとしています。