イタイイタイ病患者の遺族の男性が、イタイイタイ病の悲惨さについて富山市の小学生に講演しました。

イタイイタイ病の語り部 中坪勇成さん
「ああ痛い、ああ痛いと言いながら何度も起きてくる。たいだい2時間おきくらいに。本当に痛いんだなと」

富山市の神保小学校の5年生35人にイタイイタイ病について講演したのは中坪勇成さんです。

中坪さんは2024年8月に亡くなったイタイイタイ病の認定患者、中坪キミ子さんの義理の息子で、8月から語り部活動をおこなっています。

イタイイタイ病は、神岡鉱山から神通川へ流されたカドミウムが原因で、その水やコメを摂取した下流域の住民たちの骨がもろくなる公害病です。

キミ子さんは40代から体が痛み始め、50代になると田んぼでの作業ができなくなったということですが、患者として認定されたのは、亡くなる2年前、91歳の時でした。

中坪さんはキミ子さんが雪かき中に骨折した際医者から「骨が弱っている」と言われたことをきっかけに、イタイイタイ病の認定申請をしたことや、痛みで2時間ごとに目が覚めてしまうこと、気づかない間に骨にひびが入っていたことなどを話しました。

児童
「(キミ子さんのことを聞いて)体がぞわっとした。みんなの苦しさとか痛さがよくわかった」

中坪勇成さん
「痛い、痛い言うまま亡くなるのはかわいそう。私はまだまだいると思っている。だから1人でもそういう人を助けたい」