9月に福島県いわき市を襲った記録的豪雨から3週間あまりが経ち、浸水被害を受けた国宝・白水阿弥陀堂では、10月1日から一般の拝観を再開させました。

いわき市内郷白水町にある白水阿弥陀堂。平安時代に建てられた、県内唯一の国宝建造物です。9月8日の記録的な豪雨で近くを流れる新川があふれ、本堂では、床上30センチまで浸水しました。

その後、境内の泥をかき出すなど復旧作業が進んだほか、9月25日の文化庁の調査でも、国宝として価値は損なわれていないと判断されたことをうけ、1日、3週間ぶりに一般の拝観が再開しました。

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まだ被災地には爪痕が残るものの、住職の赤土隆行さんはこの再開が復興の足がかりになってほしいと話します。

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阿弥陀堂がある願成寺では、10月中旬ごろから紅葉が見ごろを迎え、11月いっぱいまで楽しめるということです。

赤土さんは、市内で1700棟以上が浸水被害にあった中で、今再開するのは複雑だと話していました。1日は県外からも多くの人が訪れていて、観光で被災地を応援できる復興への良い兆しとなることが期待されます。