10年前にも飲酒運転 父から「酒を取るか?免許を取るか?」

裁判では、男の母親が証人として証言台に立った。

【弁護人からの質問】
Q.被告は2013年にも飲酒運転で事故を起こした。この時、被告と何か話したのか?
A.飲酒運転は二度としないと約束した

Q.今後、被告の運転についてどう考えているか?
A.二度と運転してもらいたくないが、必要ならば運転しなければならないが、できれば運転してほしくない

【検察官からの質問】
Q.被告は2020年に免許を再取得したが、この時は何か話したのか?
A.夫(被告の父親)が酒をとるか免許をとるかと聞いたら、息子(被告)は車を取ると言った

Q.証人(被告の母親)は過去にも「二度と飲酒運転をしない」と言った被告に裏切られているが、今後こそ被告は約束を守ると思うか?
A.守ると思う。社会を離れて生活するなかで変われば良いなと思う。

Q.被害者や遺族に対して
A.バカな息子がとんでもないことをしてしまったと思っている。

裁判には被害者の妻も出廷し、涙ながらに意見陳述をした。

被害者の妻の意見陳述(一部)
「被告人が事故直後に救急車の手配をしてくれれば夫が死なずに済んだかもしれない。夫は事故直後に寒い路上にさらされていた。被告人は夫を見殺しにしたと思っている。酒を飲んで運転するなど許されない。被告人の厳罰を望みます。」

この間、男は時折涙をこらえる様子を見せながら、被害者の妻の方をじっと見ていた。

検察は、男の運転行為は極めて危険性が高く非常に悪質、危険運転致死事件にも匹敵する重大事案というほかないなど指摘し、懲役5年を求刑。一方、弁護側は深く反省の態度を示しているなどとして、情状酌量を求めた。