福島県鮫川村の養豚場が、豚の排せつ物を適切に処理せず、周辺の河川などに影響を与えた可能性があるとして、県は、施設を管理する東京の会社に改善を申し入れました。

鮫川村によりますと、4月21日に住民から「河川のにごりや悪臭がする」と情報が寄せられました。

村や県が周辺の川を調査したところ、川から異臭や濁り、泡立ちが確認されたほか、川の周りにある岩からはぬめりなども確認されました。周辺の水田にも影響が出ていて、小学校の生き物調査も中止となりました。

村と県は、村内にある「鮫川ファーム」が原因とみて、水質汚濁防止法などに基づき、7月24日までに5回の立ち入り検査を行いました。

県による養豚場付近の水質調査では、生物化学的酸素要求量(BOD)の数値が、1030ミリグラム(1リットルあたり)で、豚舎の排出基準値の160ミリグラムを6倍以上超えていたということです。

また、村による大腸菌群数の調査でも、基準値のおよそ6倍の数値が確認されたということです。

これを受け、村は、養豚場を管理する東京の「神明畜産」に、住民に直接説明するよう求め、24日に住民説明会が開かれました。村によると、説明会の冒頭で神明畜産の代表が「ご迷惑をかけて申し訳ございません」と謝罪したということです。

説明会では、22年11月から23年6月ごろまで、ふんを処理する6台のコンポストのうち4台が故障していて、尿を処理する施設にふんが流れ込んで処理能力が低下し、基準を超えた状態になったとみられるなどと説明があったということです。

県は、会社に対して改善書の提出を求めています。