福島第一原発の事故で東京電力の株主が旧経営陣に損害賠償を求めた裁判の控訴審で、旧経営陣側は「津波による事故の発生は予見できなかった」とあらためて争う姿勢を示しました。

この裁判は12年前の福島第一原発事故をめぐり、東電の株主48人が旧経営陣5人に対し、津波対策を怠ったため会社に損害を与えたとして、総額およそ22兆円の賠償を求めているものです。

去年7月、一審の東京地裁は「政府がまとめた長期評価に基づいて、最低限の津波対策を取る必要があったが対策を怠った」として、旧経営陣5人のうち4人の責任を認めました。
そして裁判史上最高額の総額13兆円あまりの賠償を命じる判決を言い渡し、旧経営陣が控訴していました。

24日、東京高裁で開かれた控訴審の第1回口頭弁論で旧経営陣側は「津波による事故の発生は予見することはできなかった」と述べ、あらためて争う姿勢を示しました。