福島第一原発の処理水を海に放出するための設備について、7日、原子力規制委員会は東京電力に対し「設備に問題はない」として検査の合格を示す「終了証」を交付しました。これで、海洋放出するための設備面の準備はすべて整いました。

政府は具体的な放出時期の検討に入っていますが、今後の動きを確認します。

まず7月10日から11日にかけ、西村経産大臣が、福島県内を訪問します。福島第一原発を視察するほか、漁業者との面会が予定されています。

放出の時期について、政府内では「9月」という声もささやかれていますが、ある漁業関係者は、「9月は底引き網漁が始まる季節で、その時期に放出となれば、相当痛い」と胸の内を明かしました。

なぜ、9月かということなんですが、東北各地で選挙が続くためだといいます。県内の主なものを見てみましても、7月9日に福島市議会選挙、7月30日には、会津若松市長選挙などがあります。一方で、9月以降であっても、11月に県議選があります。

仮に選挙日程を意識していたとしても、県民にとって、非常に重要な政治課題である海洋放出について、選挙で争点化を避けるようなことは、難しいのではないでしょうか。