亞門さんが“最も尊敬する日本人”葛飾北斎

企画展は期間中、展示作品が入れ替わるのが特徴で、4月18日から新たに23作品が展示されています。

『四季花鳥図屏風』は、江戸時代に狩野派によって描かれたもので、色とりどりの四季の花木や草花に多種多様な鳥たちが書かれています。亞門さん、ご覧になっていかがですか?

宮本亞門さん「屏風絵として壮大な世界に包まれていくようで、また四季折々の花など描写が細かくてきれいですよね」

今回、新しく23点の作品がやってきましたが、亞門さんが注目している作品が、江戸時代に活躍した葛飾北斎の浮世絵『冨嶽三十六景神奈川沖浪裏』です。荒れ狂う波と、翻弄される小舟が、自然の力強いエネルギーを感じさせます。

宮本亞門さん「富士山が小さいけれど、視線がいくように構図ができているし、海外のインクも入れながらもこの一作、きれいなだけじゃなくて怖さも感じるような。世界で最も有名な絵の一つですね」

亞門さんは、日本人の中で最も尊敬する人物に葛飾北斎をあげられているんですよね。

宮本亞門さん「そうなんです。人物としてすばらしいですけど、舞台を作ったんです、葛飾北斎の。調べれば調べるほどこの人はこの絵を72歳の時に作って、これじゃ足りないと80代も肉筆画、直筆画をどんどん描いていって、全部スタイルを変えて死ぬ瞬間まで描き続けた。こんなかっこいい日本人の先輩いませんよ」

北斎愛に溢れていますが、どういったところが魅力だと思いますか。

宮本亞門さん「本当に夢中になって、心身すべて入り込んで、身を削って描いた絵がすべて、というところですね」

北斎に影響を受けたとのことですが、生の作品に触れることは大事ですよね。

宮本亞門さん「全く違うんです。前に立って美術館で作品と向き合ってもらうと、画集で見ただけではない感動がわっと押し寄せるので、ぜひ体感をするためにも美術館を訪れてほしいですね」

最後に一言お願いします。

宮本亞門さん「余裕があって絵や美しいものを見るとやっぱり心が豊かになります。ぜひ体感してほしいと。こんな時だからこそ皆さんにおすすめです。」

「美をつくしー大阪市立美術館コレクション」は5月21日まで開かれていて、葛飾北斎の『冨嶽三十六景神奈川沖浪裏』は最終日まで展示されています。

期間中は展示作品が入れ替わりますので、ホームページでご確認ください。