ガソリンや灯油による引火などを防ぐ、日本初の「火災抑制剤放射器」の性能を検証するデモンストレーションが福島県南相馬市で行われました。
大手警備会社ALSOKが、消火器などを製造販売するメーカーと研究開発した火災抑制剤放射器「クイックスプラッシャー」。
ガソリンや灯油など燃焼性の高いものが散布された場所に噴きかけることで、着火や引火を抑制できる日本初の放射器で、畳6畳分の広さをカバーできます。
ALSOK福島相双支社 石川仁支社長「例えば、テロでガソリンを撒かれて火をつけられそうになった場合にこれを散布することで、火がつかなくなる。もう一点は、万が一、火がついてしまった場合にも、これを噴きかけることで退路を確保できると、その部分だけの火災を抑制できるということになる」
開発のきっかけは、2019年に発生した京都アニメーションの放火殺人事件でした。犯行には、ガソリンとライターが使われ、火はあっという間に燃え広がり、3階建ての建物は全焼。
36人が死亡し33人が重軽傷と、国内では過去に例を見ない大惨事となりました。
ALSOK福島相双支社 石川仁支社長「消火器とかはあったらしいが、ガソリンに火が着くともう太刀打ちできなかったと。そういった時にこういった火災を抑制するものがないかということでこういったものが作られた」
こうして開発されたクイックスプラッシャー。放火テロへの備えのほか、車の炎上事故の防止にも役立てられます。
南相馬市のバス会社「東北アクセス」では、12月から、長距離バスの車内にクイックスプラッシャーを設置。25日には、実際にガソリンを使用したデモンストレーションが行われました。
ガソリンを入れた容器にクイックスプラッシャーを噴きかけると…、点火した棒を近づけても、引火することはありませんでした。
この放射器を導入したバス会社の代表は…。
東北アクセス 遠藤竜太郎代表「緊急時にこれを利用して少しでも一人でも命が助かればな、そんな思いの中で、導入させていただくことになった」
ALSOK福島相双支社 石川仁支社長「やはりバスには必要なんじゃないかなということで強く発信していきたいなと思うとともに、ガソリン等を使うところでの安全対策として導入していただきたい」
「放火や引火から人命を守る」。クイックスプラッシャーは、その一端を担うことが期待されています。










