7月、福島県いわき市にオープンした障害者の施設「かむ」で12日、完成を祝う式典が開かれました。

いわき市常磐西郷町の障害者施設「かむ」。未就学の子どもから成人までを受け入れる多機能型の施設で、7月1日にオープンしました。

普段と比べて、慌ただしく動くスタッフたち。子どもたちも、いつもと違う雰囲気を感じているようです。オープンから1か月あまり。12日、関係者を集めて完成を祝う式典が開かれました。

いわき市の中央部、常磐地区に作られた「かむ」。その理由について、運営するNPO「ままはーと」の代表・笠間真紀さんは、こう話しました。

笠間真紀さん「いわき市はとても広いので、南部地域から(既存施設の)「どりーむず」まで、片道1時間かかる家庭もあり、家族の負担はかなり大きなものです。この現状を何とかしたい、よりきめ細やかな支援を提供したい、子どもたちの活動の場を増やして、家族の負担を少しでも減らしたい。そういう思いが芽生え、この思いを形にした施設が、こちらの「かむ」になります」

「どりーむず」に続く、2つ目の施設として、「かむ」は2020年度に一度、オープンしましたが、運営が難しくなったことで「どりーむず」と統合しました。「かむ」としては、5年ぶりの復活です。

笠間さん「令和2年度に一度「かむ」は開所しましたが、様々な理由から「どりーむず」と統合し、「かむ」の看板を下ろしたことがあります。「ままはーと」の歴史の中でも、私の人生においても、最も苦しい決断でした。子どもたちやご家族様に多大なるご迷惑をおかけし「かむ」のスタッフと泣きながら「かむ」の再起を誓いました。この思いを忘れずに、また頑張ろう。いつの日かまた「かむ」を復活しようという願いを込めて、スタッフTシャツには「かむ」の名前をずっと残しておりました」

復活に向けて苦楽をともにした仲間とともに、テープカットが行われ、オープンを祝いました。式典の後、いわき市出身のトロンボーン奏者、笠間勇登さんたちによる演奏も披露されました。

8月8日には、いわきおどりに参加した子どもたち。この日の最後は、トロンボーンによるいわきおどりで締めくくられ、スタッフや子どもたちの笑顔で、あふれていました。