父が拘束 母とおびえて過ごした夜
父の齋藤兵治郎さんは、中国東北部の旧満州で、警察官でした。日本の傀儡国家とされる旧満州国。遠藤さんたちは、日本人の警察官とともに、官舎で平穏に暮らしていたといいます。ところが、終戦を境に、生活が一変しました。

遠藤さん「日本が負けたと同時にソ連兵が、夜になると(官舎に)入ってくるようになった。父親たちは連れられて拘束されて、どこに行っているのか連絡ないからわかんなかった」
日本が戦争に負けると、兵治郎さんを含む警察官の男性たちはソ連兵に拘束され、シベリアに送られました。官舎には、女性と子どもたちだけが取り残されました。
遠藤さん「官舎をちょっと具体的に描いた、間取りと。家はここだった、我が家は」

父がいなくなった家で遠藤さんは、母の美智さんや幼いきょうだいたちとともに、ソ連兵におびえながら夜を過ごしました。
遠藤さん「最初は金を出せ、今度は何でもいいから宝石のような時計とか指輪とかを出せ、そういうものもないと、女を出せ」
