ここ1か月、円安が急速に進み宮城県内でも輸入品を使う飲食店などからは、悲鳴の声が聞かれます。
専門家は「地方は都市部より円安の影響が大きい」と指摘しています。

仙台市青葉区の牛タン店です。

25日も昼時には多くの客が訪れ牛タンを味わっていました。

東京からの客
「おいしかったです。東京でも何回か食べたことはあるんですけど、本場というか、有名なので来ました」

栃木からの客
「旅行だから贅沢しようと思って、この値段でも食べた」

しかし今、この牛タンの仕入れ値が上がっています。
仙台名物の牛タンは、ほとんどがアメリカ産かオーストラリア産。
コロナ禍や原油高の影響で、2020年から仕入れ値が高騰しているうえに、円安が拍車をかけているといいます。

牛タンの仕入れ値 高騰


喜助 小野博康社長室長
「円が10円下がりますと、1キロあたりおよそ200円コストが上がる。原価が10%上がるということは容易なことではない」

牛タン店 喜助 小野社長室長


円相場の推移です。先月1日は1ドル=115円台でしたが、今月20日には1ドル=129円台に下落。急速に円安が進んでいます。

円相場の推移


喜助 小野博康社長室長
「これだけ牛タンの価格が上がったので、牛タン以外の定食ということで牛ハラミ定食です」

この店では牛タン以外の部位を使った定食を用意するなど、値段を抑える工夫を凝らしています。

牛タン以外の定食


しかし、これ以上円安が進めば値上げも視野に入れなければならないと話します。

喜助 小野博康社長室長
「円安の流れを見ながらギリギリまで企業努力を続けたいと思っているが、
それを超えた場合には、非常に残念だが客に負担してもらう可能性は全くないわけではない」

円安の影響は畜産農家にも及んでいます。

畜産農家にも影響が


大崎市古川で酪農を営む濱田茂さん。
60頭の乳牛を飼育していて、餌として使う飼料はひと月12トンにものぼります。
原材料の穀物は海外からの輸入品がほとんど。
円安により2020年に比べ、仕入れ値がおよそ3割上がり経営を圧迫しています。

酪農家 濱田茂さん
「以前は1トンあたり5万から6万円だったのが今は8万円弱に上がっている。経営は厳しい」

酪農家 濱田さん


コロナ禍の影響で、乳製品の消費が落ち込み牛乳の卸価格は下がっています。

さらに円安が追い打ちとなり頭を悩ませる日々です。

酪農家 濱田茂さん
「(牛に)休みなく高騰したエサを食べさせているので、いち早く円安が解消してもらいたい」

専門家は日本とアメリカの金利差が、円安の背景にあると話します。

七十七リサーチ&コンサルティング 田口庸友上席研究員
「アメリカはインフレを抑制するために利上げを進めていて、政策金利が上がっている。一方で日本は、長期金利を抑え込むという政策を続けて、このところ金利差が拡大した。投資魅力のあるドルを買って円を売るという動きが加速している」

七十七リサーチ&コンサルティング 田口さん


さらに、円安の影響は首都圏よりも地方に出やすいと指摘します。

七十七リサーチ&コンサルティング 田口庸友上席研究員
「東北は元々輸出企業やインバウンドなどの海外向けの商品やサービスのウエイトは低かった。以前から円安の恩恵は限られていた。車社会ということもあり、原油価格が上がっていて円安の影響も受ける。他の地域よりも影響度が高くなってくる」

世界情勢が不透明な中で進む円安。
消費者だけでなく事業者の負担も増える一方です。