遺伝子型と難聴の関係
分解に関わる遺伝子ALDH2(アルデヒド脱水素酵素2)など、飲酒量と関連することが知られている遺伝子の多型を対象に検討しました。
ALDH2は、体内でアルコールが分解される過程で生成されるアセトアルデヒドを無害な酢酸へ分解する役割を担います。

男性では、アセトアルデヒドを分解する能力が高いrs671(ALDH2)のG/G型であっても、1日80g以上の大量飲酒群では高音域の難聴を呈する参加者が多く、アルコール耐性が高い遺伝子型であっても多量飲酒により聴力低下のリスクが高まる可能性が示されました。
女性では、全体では少量から中等量の飲酒(1日10〜20g)で難聴が少ない傾向がみられましたが、rs79463616(ALDH2)の多型のタイプによっては、1日40g以上の多量飲酒群で難聴の割合が高いことが示されました。
今回の研究は、飲酒と難聴の因果関係を示すものではありません。ある時点での飲酒量と難聴の関連を示した研究結果です。今後、さらにデータ分析や研究を進め、加齢性難聴の予防や健康指導への応用が進むことが期待されます。







