40年前の1985年8月12日、群馬県上野村の山中に日航ジャンボ機が墜落しました。犠牲になった520人が眠る「御巣鷹の尾根」に今年も慰霊登山をする東日本大震災の遺族の姿がありました。

曇り空だった12日の群馬県上野村。宮城県内に住む田村孝行さん(64)弘美さん(62)夫妻は、今年も御巣鷹の尾根を目指しました。2人の長男、健太さんは、七十七銀行女川支店に勤めていた25歳のとき、東日本大震災の津波で亡くなりました。

田村弘美さん
「40年もここ御巣鷹の山を整備して守り続けてきたって大変な事だし、(遺族たちが)声をあげるその力がすごいなと改めて感じる」

40年前の墜落事故の遺族、美谷島邦子さん。美谷島さんとの出会いがきっかけで、2人は2015年から慰霊登山を続けています。
およそ1時間かけ、墜落現場の「御巣鷹の尾根」に到着。2人は美谷島さんの次男、健くんが見つかった場所に向かいました。

田村孝行さん
「健ちゃんと健太も野球少年だったのでボールにメッセージを書いて毎年置いている」
毎年この日は、日航機墜落事故の遺族だけでなく、災害や事故などで大切な人を亡くした人たちが一緒に「御巣鷹の尾根」を目指します。

田村弘美さん:
「これからの安全をつくる意味でもこの(遺族同士の)つながりは意義あるものになれば良いと思っている」

事故から40年。「御巣鷹の尾根」は安全な社会を求める人たちが思いを確かめ合う場所となっています。