宮城県加美町で、試験的に進められている、畑を活用して栽培するわさび、「畑(はた)わさび」が今年、初めて収穫できるまで育ちました。今後、地元での生産拡大が期待されています。
加美町で試験栽培されている「畑わさび」は、県大崎農業改良普及センターの呼びかけではじまりました。

わさびは、湧き水など清流を利用して根の部分を収穫する栽培方法がありますが、ここでは、中山間地の山林にある畑を活用し、主に60センチほどに育った茎の部分を収穫する「畑わさび」の試験栽培が進められています。

収穫したわさび味見する農家:
「ほんのり辛い。おいしい」

2022年11月に苗を植えたわさびは、去年夏の猛暑の影響もなく順調に生育が進み、6月19日に初めて収穫できる見通しとなり、10アールあたりおよそ2トンの収穫が見込まれています。
7日の現地検討会に参加した大崎地方の農家は・・・。

参加した農家:
「荒れている山林が多いので、そこも(畑に)整備されて、収穫して収入があることが魅力で可能性がすごくある」
「(農家の)収入源になるのはいい。地域が畑わさびで活性化になればいい」
わさびは、海外からの需要が急増しているものの、温暖化などの影響による高温で、産地の広島県など西日本での生産量が激減しています。
県大崎農業改良普及センター 伊藤吉晴技術次長:
「なかなか収益が上がらなかった、狭く日当たりの悪い畑であっても、畑わさびであれば十分収益が上げられる」

畑わさびは、今年、大崎市や加美町など8戸の農家で、およそ8ヘクタール栽培されていて、普及センターでは今後、大崎地方での生産拡大を図っていくことにしています。