
魚の栄養メリットを優先…それでも
厚労省も魚介類から摂取できる栄養メリットを第一に掲げ、妊婦への注意喚起も「万が一」を考えた予防的な観点から行われています。しかし、当時の厚生省が暫定的規制値を定め通達を出した1973年はマグロは「高級魚」として食べる機会が少なかった時代でしたが、もはや、マグロは高級魚ではなく、以前より口に入れる機会が増えています。
消費者団体からは、規制値が現状に合っているのか疑問視する声も出ています。国立水俣病総合研究センターによると、メチル水銀の影響について、ニュージーランドやセイシェル、マディラ諸島、フェロー諸島で調査が続けられているそうですが、「別の調査地域からは全く影響がないという報告もあり、影響の有無についてはいまだにはっきりとした結論は出ていない」とのこと。信頼に足る調査結果が出るまでは、リスク対象者の妊婦さんたちは、おいしいからといって「つい食べ過ぎ」は控えたほうがよいようです。