ロマンチックな記念日 提唱したのは オヤジアナウンサー⁉
奈良時代の「相聞歌」によるやり取りに比べれば、現代の連絡・交通手段は格段に便利ですが、離れて暮らしながら、関係を保つのは大変です。
実はこうした遠距離恋愛を続ける2人のための記念日があります。12月21日の「遠距離恋愛の日」です。提唱したのは、ラジオアナウンサーの大岩堅一さん(65)です。
「以前、FM長野で放送作家の加瀬清志さんと週に一回、記念日について話すコーナーを放送していました。やがて記念日をテーマに講演を頼まれるようになり、ある日会場に向かう電車の中で『クリスマスに久しぶりに会えるようになるカップルのための記念日はどうだろう』とアイディアが生まれました」(大岩さん)
離れて「1人」だったのが「2人」になる日、ということで「1」「2」「2」「1」、12月21日を選んだということです。ロマンチックな響きの「遠距離恋愛の日」。実は、2人の“オヤジ”の会話から生まれました。
やがて加瀬さんは、日本記念日協会を設立。代表理事として、さまざまな記念日を取りまとめる活動を始めます。しかし「遠距離恋愛の日」の提唱は、約20年前のこと。ネットはいまと比べて浸透しておらず、大岩さんによると、当初はそれほど認知されていなかったそうです。
「あの時代は、なかなか一緒になれない関係をテーマにしたドラマが多く、また新幹線のホームで彼氏を見送る女性のCMが大ヒットするなど遠距離恋愛は大きなテーマでした。でも、スマホでビデオ通話ができる今はがらっと様子が変わってしまいましたね」(大岩さん)
ネットの検索が一般化してくると、遠距離恋愛の日があることが広まり、大岩さんのもとに「時間差」で問い合わせが寄せられるようになりました。また、ラジオでこの日を話題にすると、かつて遠距離恋愛を経験した人たちから当時を懐かしむエピソードが数多く集まるとのこと。
大岩さんは「相手のことを思う時間を大切にする日本人の『美学』のようなものが遠距離恋愛にはあるのかもしれませんね」と話し、自らが提唱した記念日の広がりを振り返りました。