サッカーJ1清水エスパルスのゼ リカルド新監督(51)が6月14日、IAIスタジアム日本平(静岡県静岡市)で就任会見を開いた。今季も現在リーグ戦16位と、残留争いがちらつく中、「まずは自信を取り戻すことが第一。私がひとつ約束できることはすべてを捧げること。それによって未来は見えてくる」とチーム立て直しへの意欲を見せた。

会見冒頭、「日本、そして、偉大な清水エスパルスで仕事ができることをうれしく思う。日本のサッカーに興味を持ち、清水を見続けてきた」と笑顔を見せたリカルド新監督。

フラメンゴやボタフォゴなど、ブラジルの名門クラブを渡り歩いた経験豊富な指揮官は、今季もヴァスコ・ダ・ガマの監督を務めていたが、現在、2勝7分け7敗と下位に沈む、Jリーグの“オリジナル10クラブ”からのオファーを受け入れた。

まさに“火中の栗を拾う”形での電撃就任にも、リカルド新監督は「今すぐに結果を求められることは理解している」としたうえで、「エスパルスは結束力の強いチームという印象。それをベースにしていけば、必ずさらに成長できる」と自信をのぞかせた。

一方、現在のチーム状況について「立ち上がりよい内容のサッカーをしていても、失点をしたことで、自信を失い、その隙を突かれてさらに失点している。自信を取り戻すことが第一」と分析。

「(監督交代によって)戦術的に変化は多少あるが、一度にすべてを変えることはできない。ベースとなるものは自信。戦う姿勢を前面に出して、90分間戦えるかどうかが大事」と繰り返し、メンタル部分の改善に、まず力を注ぎたいとの考えを示した。

「ボールを保持し主導権を握るサッカー」

就任会見で意気込みを語るリカルド新監督=4月14日撮影

では、リカルド新監督が目指すサッカーとは。

選手たちには、「スピード」、「強度」、「攻守のバランス」という基本ベースの部分を求めたうえで、「ボールを握ることはサッカーにおいて大事なこと。ボールを持てば、攻撃的なアクションがたくさん起こせる。攻守においてオーガナイズを保ちながら、主導権を握ることを目指す」と説明した。

今季のエスパルスは、攻撃的選手に故障などが相次いだものの、リーグ戦16試合で15得点と、“決定力不足”を露呈した。

ただ、リカルド新監督は「まずは攻守のバランスを保ち、FWは1番前のDFとなるし、攻撃時、GKは一番最後の攻撃者となる。決定力を上げるためだけに力を注ぐのではなく、サッカー全体の大事な部分をつながりを持って向上させていきたい」と、その“バランス感覚”も披露した。

大熊GM「継続を意識した監督交代」

合流後初の練習では選手たちと積極的にコミュニケーションを取る姿が見られた=4月14日撮影

第16節・柏戦後に監督交代を決断したという大熊清GM。4年連続シーズン途中での監督交代に「一貫性がないのでは」との声にも、「(リカルド新監督は)非常にコレクティブ(組織的)に、攻守にインテンシティ(強さ・激しさ)の高いサッカーをやっている。清水が目指す『攻守に主導権を握るサッカー』に通じ、今のチームに足りない部分を補える」と、あくまで“継続”を意識したオファーだと強調。リカルド新監督のコミュニケーション能力の高さも評価した。

次節でリーグ戦もいよいよ折り返しとなる。新監督就任をきっかけに、息を吹き返すのか?それとも…。Jリーグで指揮を執ったことがないことを不安視する声もある中、リカルド新監督はこう力強く宣言した。

「この順位から抜け出すには、チームとしてひとつになってハードワークすることが大切。私がひとつ約束できることはすべてを捧げること。それによって、未来は見えてくる。チーム全員で戦う姿勢をみせて、前に向かっていきたい」

“リカルドエスパルス”の初陣は3日後。私たちがいま、できることは、アイスタのスタンドをオレンジ色に染め上げ、勝利を信じ、90分間、後押しし続けることだ。