海に囲まれた伊豆半島はおいしい海産物が豊富です。魚介のうまみを凝縮した干物は特産品として知られています。

<店員>
「今回のしずおか産は、このキンメダイの干物が入った『ひもの屋さんの極上シーフードMIX』です」

「ひもの屋さんの極上シーフードMIX」は、塩干したキンメダイと真イカの干物…そして、ホタテにエビが入っています。

創業明治33年、静岡県下田市の老舗干物店「小木曽商店」が1年前から販売を始めました。

<小木曽商店 小川沙織さん>
Q.なぜ販売しようと思った?
「いま若い人たちが、魚の骨を取ったりするのが苦手だと思うので、そういう若い人たちの干物離れをどうにかしようと思って干物を使って調理をしやすい品物ができないかなと思って作ってみました」

食卓に上がる機会が減った干物をそのまま味わうのではなく、料理の食材にするという新たな可能性を考えました。

<小木曽商店 石垣直人工場長>
Q.キンメをシーフードMIXに使うのはもったいない気がしますが?
「シーフードMIXを作るにあたって、下田の特徴を取り入れたかったので、日本一の水揚げがあるキンメダイを入れたかったですね」
Q.キンメという魚自体はシーフードMIXにするにはどう?
「白身の魚に近いので、加工調理するには合う魚ですね。脂も乗ってますし、おいしいですね」

干物はキンメダイのような脂の多い魚が向いています。焼いた時にふっくらとして舌触りのよいしっとりした仕上がりになります。

干物は塩分の濃度でその味が決まりますが、食材のひとつとして使うことを前提に、ひと手間かけています。

<小木曽商店 石垣直人工場長>
「シーフードMIX用はお客様が調理されるので、アレンジしやすいように塩加減を薄めにして作っています。乾燥時間も短めにして、ふっくら上がるように仕上げています」

シーフードMIXに使うキンメダイと真イカは通常の干物よりも塩分の濃度を下げ、漬け込む時間も短くして塩辛くならないようにしています。

シーフードMIXを使った料理を作っていただきました。大振りの魚介類が目を引くシーフードパスタとオリーブオイルで温めたアヒージョです。

<天野貴弘記者>
「アヒージョのキンメです。いただきます。干物だけあって味がほんのりついているので、おいしいです」

大きくカットしているので火を通しても縮むことがなく、見た目にもワンランクアップした料理に仕上がります。

<小木曽商店 小川沙織さん>
「この商品は冷凍なので、解凍するだけでいろいろな料理に使えるので(料理の)時短にもなりますし、お母さんたちに知ってもらって、そうすれば子どもたちに魚も食べてもらえるので、やっぱり簡単に作れるもの、お母さんの手助けになるようなものになればいいかなと思っています」

下田市の老舗干物店が知恵を絞って作ったシーフードMIXは、地元につながる伝統の味を新たな食感で楽しめる「しずおか産」です。