静岡県熱海市で発生した土石流災害から5月3日で10か月です。土石流の発生した現場では被災者や住民が黙とうを捧げ、静岡県警による一斉捜索も実施されました。

消防に最初の通報があった午前10時半頃、被災者や住民が熱海市伊豆山の被災現場近くに集まり、黙とうを捧げました。

<家が全壊した太田滋さん>
「亡くなった方の死を無駄にしないような生活をしなければいけないし、住むところも安全で住みやすい(街づくりを)考えていかなければならない」

また、伊豆山神社では、地元の町内会などが立ち上げた「熱海伊豆山で心をつなぐ集い」が犠牲者を追悼するため、神事を開いたほか、被災地近くでは線香をたむける人の姿もありました。

この土石流災害では災害関連死を含め、27人が亡くなり、いまも1人の行方がわかっていません。

警察は行方不明になっている太田和子さんを探すため、およそ90人態勢で被災地区や伊豆山港などの捜索活動を実施。水中ドローンやファイバースコープを使い、波消しブロックの隙間などを捜索しました。

一方、伊豆山神社の向かいにある空き店舗。観光客が見ているのは土石流災害の写真です。

<観光客>
「こんなすごかったんだなと思いますよね」

土石流が起こる前から盛り土について調べている地元の住民が空き店舗を使って災害の写真や資料を展示しています。

<木下恵司さん>
「現状をまず知ってもらって、それに至るまでの背景も調べてあるので、土石流がどういうものであったか分かってもらいたい」

熱海市の土石流を巡っては、遺族が起点にあった盛り土を造成したとされる前の土地所有者らに対して、殺人などの疑いで刑事告訴しています。