死者28人を出した静岡県熱海市で発生した土石流災害で、伊豆山地区を流れる逢初川源頭部付近にある崩れ残った土砂を運び出す作業が2月28日朝から始まりました。
      
28日午前9時から始まったのは、土石流の起点付近にある崩れ残った土砂の撤去と運び出し作業です。2021年7月に発生した土石流災害では、崩落の起点となった付近にいまも不安定な土砂が約2万立方メートルが残ったままとなっています。

静岡県は盛り土を造成したとして、前の所有者である不動産会社に土砂の撤去を求める措置命令を出していましたが、会社側が拒否したため、2022年10月、行政代執行に踏み切りました。

現場ではこれまでに、樹木の伐採や工事用道路の建設作業が進められていて、2月28日から本格的に落ち残った土砂の撤去作業がはじまりました。

県によりますと、崩れ残った盛り土からは一部で環境基準を超える有害物質が検出されたことから、撤去された土砂は、袋に詰めた状態で熱海港近くに仮置きするということです。

この土砂の撤去は、2023年5月末の完了を目指しています。