3月、東北地方を中心とした大きな地震があって、静岡県内でも停電した地域が出ました。「いざ」というときには欠かせない電池。きょうのテーマは「電池って、どうして電気をためられるの?」どのような仕組みなんでしょう?
静岡県沼津市の沼津工業高校で理科の先生に伺いました。電池には最初から電気がたまっているんですか?
<沼津工業高校 植松聖陽教諭>
「この乾電池は、電気を貯めているのではなくて、化学反応で電気を起こしているんです」
もともと、この中に電気はたまっていないんです。ということは、中には何が?
<沼津工業高校 植松聖陽教諭>
「こちらはマンガン乾電池の断面です。プラス極の方には二酸化マンガンと反応させる液体が入っています。マイナス極には亜鉛が入った構造になっています」
筒状の乾電池にはほかにも、アルカリといったものがありますが、構造はほぼ同じです。「電気はどう起こるのか」、マイナス極側の亜鉛とプラス極側の二酸化マンガンをそれぞれわけました。銅線を使い、電球をつけるイメージです。
<沼津工業高校 植松聖陽教諭>
「この場合だと亜鉛のほうが解けていくのですが、溶けるときに亜鉛から電子が放出されます。放出された電子は銅線をつたって電球の方へ流れていきます。電球を通過した電子は電球を光らせて、二酸化マンガンのほうへ戻っていいきます」
つまり、化学反応がきっかけで、電子がマイナス極からプラス極へくっつこうとする流れ、これが、電池の電気の正体なんです。
この理屈を利用した実験があります。ラグビー部とボート部のみなさんに協力してもらいました。
アルミでできた1円と銅の10円玉、1円と10円を握り、15人で繋いでいくとオルゴールは…電池がないのに音が出るんです。これは人の汗に含まれる塩分が、1円玉のアルミと反応して電子となり、10円玉の銅に移動、それが人も通して、オルゴールを鳴らしたのです。ちなみに、この実験では、電圧がわずかということで、感電することはありませんでした。
ということで、答えは「化学反応で電子が移動できる仕組みだから」でした。電子が移動すること、これが電気が通るになるんです。