学歴詐称疑惑が指摘される静岡県伊東市の田久保真紀市長に対する2度目の不信任決議案が10月31日の臨時議会で可決され、田久保市長の失職が決まりました。田久保市長は次の市長選に出馬するかどうかについては明言を避けました。

<伊東市議会 中島弘道議長>
「原案の通り、決定することに賛成の諸君の起立を求めます。起立多数であります」

自らの失職が決まった瞬間、田久保市長は口を固く結び、視線はじっと前に向けられていました。

31日に開かれた伊東市議会の臨時会。補正予算案などが審議された後、田久保市長に対する2度目の不信任決議案が提出されました。

<不信任決議案の読み上げ>
「市議会を解散するという大義なき判断をした。暴君の所業といっても過言ではない。悪あがきであるとも言え、滑稽でしかない」

<賛成討論>
「法より私を優先しているように映る。市政は1人のためでなく、市民のためにある」

そして迎えた採決。不信任案は賛成19、反対1の賛成多数で可決されました。議会での可決後、伊東市議会の議長と副議長が田久保市長に失職の通知書を手渡し、約150日間続いた田久保市政に終止符が打たれました。

<伊東市議会 中島弘道議長>
「本当にこの数か月、市政の停滞があって、きょう、一区切りができたんですけども、私としては本当にむなしい達成感」

<伊東市議会 青木敬博副議長>
「田久保劇場第1幕が終了しまして、今度第2幕に入るか入らないか、エピローグにいってくれるのかっていう感じですね」

<LIVEしずおか 滝澤悠希キャスター>
「田久保市長は、きょうをもって失職となります。伊東市民はどう感じているのでしょうか」

<伊東市民>
「何の仕事をしていたのかなって。この5か月、ただ選挙の仕事をしていただけなんじゃないか」
「また今度市長選がある。3000万円かかる。(市議選と合わせて)1億。田久保さんに請求してほしい」

議場で失職が決まった直後、田久保市長が口にしたのは職員への感謝の言葉でした。

<伊東市 田久保真紀市長>
「慣れない仕事の中で本当に...ごめんなさい、職員の皆さんにはサポートしていただいて...」

一方で、次の市長選への対応については明言を避けました。

<田久保市長>
「この先の進退については支援者と話し合いながら自身に向き合って決めていきたい」

4か月に及んだ市政の混乱。多くの疑惑を残し、最後まで説明を尽くすことなく田久保氏は市役所を去りました。

伊東市では今後、50日以内に市長選が行われることになりますが、田久保氏の今後の動向に注目が集まります。

では今後、伊東市政はどこに向かうのでしょうか?

<滝澤悠希キャスター>
田久保市長は午後4時半頃、支援者らに手を振りながら、笑顔で伊東市役所をあとにしました。31日は補正予算案などの審議についても行われたのですが、田久保市長は報道陣の取材に対し、「滞りなく審議が進み、その後に私の不信任案が出たということで、まずはほっとしている」と話していました。

1回目の不信任案が可決された9月定例会では、不信任決議案のみの審議となったため、最後に議会のあり方を揶揄しているようにも感じられました。

今後の市長選はどのようになりそうですか?

<青島記者>
現在のところ元市長や前市議など政治経験者を中心に5、6人ほどが立候補に意欲を示しており、選挙戦になるとみられています。

<滝澤キャスター>
田久保市長は、明言を避けています。選挙に出るんでしょうか?

<青島記者>
次期市長選については報道陣から質問が相次ぎましたが、立候補するかについては明言を避けました。一方で、今後の進退については「節目ではあるので皆さんと一緒に考えさせていただきたい」とも話しており、意欲は隠していません。

<滝澤キャスター>
何が争点になりそうでしょうか?

<青島記者>
最大の争点となるのは、田久保市長をめぐる混乱によって停滞が続いた伊東市政の立て直しです。

田久保市長が就任してから5か月が経ちますが、図書館の建設中止以外は特に進んだ政策はないというのが実情です。多くの市民から一刻も早い市政を安定を求める声が上がっており、新しく選ばれる市長に求められるのは伊東市の立て直しです。

<滝澤キャスター>
伊東市長選は12月中旬頃に行われる見通しで、それまでは市の企画部長が代役を務めるということです。